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言語造形人間学 何も壊さず圧縮する力 「一言で言うと?」

言語造形人間学 何も壊さず圧縮する力 「一言で言うと?」

2016年12月10日(土)

言語造形人間学 何も壊さず圧縮する力 「一言で言うと?」

「一言でいうと」
WORTEのストーリーテラー育成の講座では
3カ月かけて一つのお話を仕上げます。

7回の講座、自宅での練習は週10時間以上が目処(めど)です。
100-120時間かけて、10分足らずのお話を仕上げることになります。
入門や初級クラスなどのクラスとは別の育成なので、
厳しいのは当たり前といえば当たり前なんですよね。

さて、そんな養成レベルのクラスの、
最終日、7回目のレッスンでは、必ずこの課題をします。
「あなたにとって、このお話は一言でいうと?」

3か月間、お話と過ごした時間のすべてがすーっと一言に集約されていきます。
中にはお話の登場人物を一人一人寝る前に枕元に置いて寝るという方もいるし、
お話が人物のように話しかけてくるという人もいます。

そんな長く深い付き合いの時間を
なにひとつ壊すことなく、すーっと一言になる。
ならない場合はお話の稽古が足りないか、考える時間が足りないんですね。

圧縮する力を、壊さずに使う
一言に圧縮する。実はこれは自我と関係があります。

自我は圧縮する。(by Rudolf Steiner) 

圧縮すると、物事は潰されます。
そこを何も潰さないように、一言に集約する。
そんなことが可能なんですね。

そしてその人にとってのお話しが一言になっているものですから、
静かな気迫、静かな迫力に満ちていて、聞いた瞬間、ハッとします。
わたしは詩はこのような自我と関係があると思っています。

6回目はこんなことを伺います。
「一言につながるような、気になることってありますか?」

「一言で言うと」につながるような、
キーになる語、イメージ、
お話の中の出来事がありませんか?
とレッスンでお聞きしています。

とても面白い話が聞けます。

自我が働くときの話し方
そして話しているときのその方の状態が、
普段、おしゃべりしているときとも、
お話をしているときとも、また違う状態になっています。
きわめて静かで、つかめないものを、そっとつかむかのような態勢で、
かつ深い状態になっています。
その状態、お話の内容も含めて、一言のレッスンになっています。

意図とは?
中にはみんなの前でいいことを言おうとする方がいます。
自分ではなく、外にいる人にアピールしようとしているので、
深さが足りなくなってますし、ある意味で暴力的でさえあります。

いいことを言おうとする。
これは実は巨大な欲で、けっこう皆さんお持ちでございます! 
すーっと集約する力の邪魔に、ばっちりとなります!

こういう気持ちは角張っていたり、
硬かったり、ねじ曲がろうとしたり、
そんな力になって働いているので、
それがわかれば、したくなくなると思います。

何かしようとする、これは意図ですが、
意図って本当に大事なんですよね。
長い付き合いを終えるのが、発表の場。
そこに立つのに必要なのが、あなたにとっての一言。

出来ていないことを知る勇気
レッスンでは「一言で言う」は出ましたか?とお聞きします。
いえ、まだですが、こんな言葉が浮かんでいます。

出たかどうか、自分で判断できれば、

たとえまだ出ていなくても、すごいこと。

残念なのは、できているかどうかさえわからず、
一言(みたいの)が出てきたんだから、
できてますと言い切ってしまうこと。

出来ていないことがわからないと、
残念ながら先がないです。

お話し終了というレベル、
素話終了という黒帯相当のレベルに達しないと
実は「一言で言うと」は出てきません。
だから逆に言うと、7回目のレッスンで「一言で言うと」を伺えば、
お話を聞かなくても、どのくらい仕上がっているのがわかります。

自分が素ででる。シンプルで、難しいもの。
でもだからこそ、面白いレッスンです。

今回はみなさんWORTE歴が長く、
ほとんどの方がお話を仕上げるレベルになっていたので、
たくさんの素晴らしい一言、
そしてなぜその一言なのかを3分で話していただくのですが、
たくさんの素晴らしいお話を聞くことができました。

今日の私の一言
今日は大人のための朗読会vol.2が開催されます。
(おかげさまで満席で、追加公演を設けました。
そちらも満席となりました)

昨年から開いている大人のためのお話し会。
わたしも詩を1つ2つ朗読させていただいてます。

詩の世界とお話の世界は違うといえば違うのですが、
同じ言葉、そう思って、
扉をひらくつもりで、立たせていただいてます。
わたしにとっての今日の朗読会に立つにあたって
胸に秘める一言は「扉をひらく」です。

今年の一年を一言で言うと・・・・
そして今年一年を振り返っての一言を、
このところ考えています。実はこれが言いたくて、今週は書いてました。
その一言にすーっと、この一年のすべてが入っていくような、
そんな一言。みなさんもぜひ探してみてください。

わたしはまだ時間をかけていないのですが、
浮かんでいるものがあります。

七転八倒・・・・転ぶ・・・・削ぐ

ただしこれだと年後半しか入っていないんですね。

さてさてそれを胸に、くる年へダイブ!
できるような、そんな一言、なんだろう?と思います。
みなさんも、ぜひ、今年の一言を探してみてください。
それを胸に、大晦日、
時のはざまに立つことのできるような、
そんな一言が見つかりますように!

よい週末を!



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