fbpx
言語造形からの贈り物05~ことばのつまずき、場面緘黙症について~

言語造形からの贈り物05~ことばのつまずき、場面緘黙症について~

2015年04月25日(土)

言語造形からの贈り物05~ことばのつまずき、場面緘黙症について~

これから何回かに分けて、ことばのつまずきについてお伝えしていきます。
今日は場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)について。

場面緘黙症
家庭などでは普通に話をするのに、幼稚園や学校など社会的な場所では
まったく言葉を発さないなどの症状です。
幼稚園で発症することが多いと言われています。

「家で話せるんだから、幼稚園でも普通に話せばいいのよ」
と言い聞かせれば、話せるようになるのでしょうか?
残念ながら、ならないでしょう。

話すことは、自発的
例え「こう言いなさい」と誰かに強制されたとしても、
最後に口を開いて、言葉を発するのはその人自身。
話すことは、自発的で、個人的なことです。


場面緘黙症は
話すとき、人は自分を明け渡しています。
自分の一部を贈り物にしています。
だから心の中に折れたものを抱えている場合、
話さないことで、身を守ることができます。

場面緘黙症は「私は自分を贈り物にできるほど、今は強くありません」
というメッセージです。
それ以上、明け渡さないための一時的な防衛のようなものです。

話さないことで、私たちは「身を守る」ことができます。

対処法
1 区別する
ある場面では話すことが出来るのか、
それとも、あらゆる場で話せないのかを区別してください。

場面緘黙症の場合、心の中に折れたものがあると書きました。
その原因が「あの事件のあのトラウマ」と限定できない。
それが場面緘黙症と言っていいと思います。
ですので、トラウマにより話せないケース、
あるいは精神疾患により話せないケースなのか、
区別していく必要があります。

2 納得する時間
本人が納得するまでの時間が必要になります。
「話しても大丈夫なんだ」
本当にそう実感するようになれば、その子のことばは変わるでしょう。

安心は理解するものではなく、感じるもの、体験するもの。
「大丈夫だよ」と何度口で言っても、安心は相手には伝わらないです。


3 リズムのある時間、ゆったりと流れる時間
時間の質は場によって決まってきます。
その子にとって安心できる、安全なスペースを
ご家庭と幼稚園で作っていく。
この時大切なのは、リズム、ゆったりさ、です。
リズムは、生活のすべてに当てはまりますが、
外へ行ったら、内へ入る。
内へ入ったら、外へ行く。
このようなリズムが大事です。

それから速度ですが、現代は速いので、ゆっくりの速度が大事です。
幼稚園へ行く道はゆっくり歩く。
その子の見たいと思う花、てんとう虫、水たまりなどを
見る時間を与える。
朝は時間がない場合は、帰りでもいいですね。
ゆっくり時が過ぎていくのを感じる時間が、人を育てます。

4 強制されない時間
そして話すことを強制しない。ことばは自発的だからです。
しかし、普通にことばはかける。その子は答えているのですから、
ちゃんと話しかけます。
素話もする。絵本も朗読する。
一緒にいる。
ほかの子供たちとも一緒にいる時間をつくる。
しかし、すべて、強制でなく行う。
ケアが必要なだけですので、
かわいそうに思う必要もなければ、ダメだという必要もありません。

場面緘黙症だけでなく、ことばのつまずきがわかったら、
ケアはすぐに開始していくのが望ましいです。

5 同世代と一緒にいる時間 ことばは、関係性の中で育つ

ことばは発さないなりに、意思疎通をしています。
ことばがやり取りされている場所に、居続けることが必要です。

大人だけではなく、同年齢の人達と一緒にいることは
上下関係がないので、ことばのつまずきとは無関係に
ことばにとって大切です。

みんながいて、いつの間にか手を伸ばしていたように、
つるっと言葉が出てくる。
「あれ、話してたね」

そのときその子は、卵の殻を破って
場面緘黙症をあとにすることになるでしょう。

ことばに特効薬はない、ことばは生き方だから
対応することは、できます。
それも早いほうがいいとも思います。
けれどもことばには特効薬はありません。生きることと同じだからです。


言語造形人間学について
言語造形人間学は恵矢のオリジナルの造語です。
シュ タイナー夫妻の始めたこと ばの芸術、言語造形を20年間実践し、ことばの音(子音、母音)と身体や動き、意識との関係、人間の成長との関係などを研究してきました。お話を教えるこ と、オリジナルの言語造形練習文を個人レッスンで各自に適応することで、その確実さを確認してきました。言語造形人間学は、シュタイナーの言語造形の精神 が結実したものです。ヴォルテのレッスンは、言語造形人間学に基づいて行われます。またヴォルテの上級クラスでは、集中講義としてその理論の講義を受ける ことができます。



«   |   »

  |