恵矢の朗読ライブPIECES vol.2 閃光 ライブレポート
2015年7月4日(土)PIECES vol.2 閃光 ライブレポート
たいへん遅くなりました。
言い訳に過ぎませんが、来年出版されるドイツ語小説の翻訳の締切と重なり、
ライブレポートが伸び伸びになってしまいました。
この日も満席となり、ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。
この日は、閃光だけではなく、人生で体験したり目にする様々な光をテーマにしました。
詩人のbnorikoさんを共演にお迎えし、珍しい詩人ふたりのコラボもお届けいたしました。
第一部 恵矢
どれだけ伝えようとしても伝わらない時、言葉がなくなり、
目と目がにらみ合い、蛍光灯が切れて、チカチカ痙攣している。
その喧嘩の始まり。日本に暮らす人にとって、夏には閃光、原爆、戦争のイメージがあります。
ミズヲクダサイ、ミズヲ
その声がずっと聞こえてきたような気がします。
『声』という詩では、インプロビゼーション(即興)を詩に挿入し、
原爆を体験したかつての少女、亡くなったお兄さん、
ふたりのお母さんの会話を入れました。 ミズヲクダサイ、ミズヲ
その声がもう聞こえない。
他に物語詩「青いヨーヨー」や、その人がその人である「しるし」について書いた「しるし」
などを朗読&パフォーマンスいたしました。
第二部 noriko
norikoさんは表情が0.5秒もかからずに、
すっと変わっていきます。
ある時は強く、ある時はこらえ、
ある時は泣きそうな表情になり、
そして微笑む。
第三部 恵矢
PIECESでは、毎回宮沢賢治の『原体剣舞連』という詩を言語造形ムーブ朗読しています。
朗読家として、稽古しても稽古しても飽きない奥の深さを感じ、どこまでも追いかけていきたい。
そんな深さや大きさを持った詩はなかなかありません。宮沢賢治の詩はまさにそんな詩です。
第四部 noriko&恵矢
今回のライブの見せ場、ふたりの詩人のコラボパートです。
詩人がこのようにお互いの詩を二人で読んだり、同じ舞台に同時にあがることは、
珍しいのではないでしょうか?
わたしの無題の詩を二人で、
舞台を動きながら、読みました。
次はnorikoさんの詩「体内の水」をわたしが朗読家として、朗読いたしました。
朗読家としては、いい詩を読むと、声に出したくなるのです。
この日の最後の詩「石」です。 これは二人が、「石」をテーマにそれぞれ書いた詩を、
交互に読んでいきました。
二つの詩が同じ舞台を、交互に語られ、
二つの世界が、交錯していく様子。
norikoさんは普段はライブハウスでの朗読が多く、
マイクがあるため、動いての朗読は初めて、
とのことでしたが、座ったり、後ろの壁までバックしていったり、
迫力と心の震えをかねあわせた素晴らしいパフォーマンスでした。
『石』の共演も、終わったとき、一瞬、お客様がシーンとして、
その空白に私は心を打たれました。なかなか体験することのできない、
間合いだったからです。
ご来場のみなさま、ありがとうございました!
voice voice voice
☆ ぞくぞくしました。
☆ 素晴らしかったでうす。身体ひとつでこれだけ表現豊かにできるんだ!と思いました。
☆ 声の粒、音の粒、ひとつひとつに、色、光、かげなどの質感を強く感じました。夏にはこんなに様々な光があるのですね。
☆ 狭い四角い部屋の中が、広くどこまでもつづく世界になった。自分の中にも詩があふれているのを感じた。
☆ 四部それぞれが素晴らしく、お二人が各々、別の糸がひとつの織物をなすようで、美しく力強く・・・素晴らしかったです。
次回は9月5日(土)19:00-20:15『くもり、のち晴れ』
日常の私たちをテーマの一晩。
私たち普通の人間、って面白い。
私も今までの二回とは異なるタイプの散文詩をお届けします。
新しい詩も3篇、書き上げました。
コタニケンイチさん(歌&ギター)が、ギターでわたしの詩のいくつかを彩ってくれます。
塚本紗知子さん(絵)は、会場を大きなスケッチ、様々な作品で命を吹き込んでくれます。
お申し込みが入り始めました。どうぞお早めにご予約ください!
お届けした詩
第一部 恵矢
無題 3篇(恵矢)
声 (恵矢)
罠 (小池昌代)
しるし(恵矢)
青いヨーヨー(恵矢)
無題 3篇(恵矢)
第二部 noriko
norikoさんがご自分の詩を朗読
第三部 恵矢
原体剣舞連 (宮澤賢治)
第四部 noriko&恵矢
無題(恵矢) noriko & 恵矢
体内の水(noriko) 恵矢
石(noriko/恵矢) noriko&恵矢
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